ピックアップ詩画

ピックアップ詩画

“菊”の詩と絵が看護大学の入試試験に出ました。「これを読んで看護とは何かを書け」という小論文でした。15年も前の話です。それから私は星野さんの事が一生忘れられない詩人になりました。無事大学合格し、今も看護師として2児の母として、毎日を模索しています。(神奈川県 看護師 女性 みなまなママ 様)

【私のお気に入りの詩画】
母の手は
菊の花に
似ている
固く握りしめ
それでいて
やわらかな
母の手は
菊の花に
似ている

(星野富弘 菊/『風の旅』/絵はがき集 第1集 収録)

がくあじさい(結婚指輪)

富弘さんの詩画に最初に出会ったのは確か高校のときだったと思います。心に深く刻まれる詩の言葉と美しい絵がとても印象的でした。いつも富弘さんの詩画を観るときは涙をこらえることができません。(神奈川県 30代 女性)

【私のお気に入りの詩画】
結婚ゆび輪は いらないと いった
朝、顔を洗うとき
私の顔を きずつけないように
体を持ち上げるとき
私が痛くないように
結婚ゆび輪は いらないと いった
今、レースのカーテンをつきぬけてくる
朝陽の中で
私の許に来たあなたが
洗面器から冷たい水をすくっている
その十本の指先から
金よりも 銀よりも
美しい雫が 落ちている。

(星野富弘 がくあじさい(結婚指輪)/『風の旅』/絵はがき集 第3集 収録)

日日草

美術館に行く度に詩に画に感動して、ついたくさんはがきを買い込んでしまいます。
その時の心情、相手によって選んではがきを使わせてもらっています。(栃木県 60代 女性)

【私のお気に入りの詩画】
今日も一つ悲しいことがあった
今日もまた一つうれしいことがあった
笑ったり泣いたり
望んだりあきらめたり
にくんだり愛したり
・・・・・・・・
そしてこれらの一つ一つを
柔らかく包んでくれた
数え切れないほど沢山の平凡なことがあった

(星野富弘 日日草/『鈴の鳴る道』P23/絵はがき集 第2集)

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